キッチンは、ただ料理するだけの場ではないと私たちは考えます。だれかと一緒に料理をするとき、美味しいものをみんなで食べるとき、そんな風景をそっと見守っているとき、自然と誰かと話したり、会話はしていなくても居心地の良さを共有していたり、キッチンは豊かなコミュニケーションが生まれる場になります。
　そうして、食べること、料理すること、また、その場にいることを通して豊かなコミュニケーションを生み出しているキッチンをコミュニティキッチンと呼ぶことにしました。飲食店とも違い、家とも違う。コミュニティキッチンは、街中にあるもうひとつの台所です。

　食について考え、食に関わる時間が街の中に増えるといいなと考えています。
　「今日は何を食べようか」「これはどうやって食べるのが美味しいだろうか」と考える人がたくさんいたことで、地域の食文化が発展し、新しい食べ物や仕事が生まれてきたはずです。
　自分で料理をしてみたり、美味しいものを食べたあとのいい気分に浸ってみたり、畑に行って野菜を育てたり、食について考え、食に関わる機会を京都の街の中にたくさん作っていくことが私たちの仕事です。

　DAIDOKOROは、京都信用金庫という地域金融機関がつくった「QUESTION」というビルの8Fにあります。私たちの役割は食領域のコーディネートを担うプロフェッショナルチームとして、農家や料理人に限らず、さまざまな地域のプレイヤーと連携しながら、キッチンという場を運営していくことです。
　2020年に生まれたばかりの新しいチームですが、歴史と文化が豊かな京都の街に貢献できるよう、日々チャレンジをしています。